プロ野球戦力分析【埼玉西武編・2021終了】
2021シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ6位の埼玉西武ライオンズ。6勝1敗と開幕ダッシュに成功したかに見えたが、山川、外崎が離脱してしまい中軸不在で苦しい戦いになった。前半戦こそ勝率5割前後にいたが、後半戦は負けが込んでしまい42年ぶりの最下位に終わった。古巣復帰後、故障で1軍登板がかなわず"平成の怪物"松坂大輔が現役引退。
【野手編】
山川がチームトップの24本。5年連続の20本以上を放ったが、左脚の肉離れもあり打撃不振で規定打席に届かず。外崎は左足首を骨折。7月に復帰した後も打撃が振るわなかった。6年目の呉念庭が前半戦のチームを救う活躍で4番にも入り、内外野で出場機会を増やした。ルーキー若林も5月で20盗塁と快足ぶりを見せたが、守備で左膝を負傷しシーズンを棒に振った。源田が24盗塁で初のタイトル。チーム事情で1番にも入った。キャッチャーは森が120試合出場。2年ぶりに打率を3割に乗せて復活。
【投手編】
高橋光がチームトップの11勝。3年目の松本航も初の規定投球回に到達し10勝をマーク。ニールが先発の役割を果たせず4番手以降の起用にチームは苦しんだ。3年目の渡邉が4勝と来季に期待。リリーフ陣は、育成から支配下登録された水上が17試合連続無失点と話題に。ギャレットが21HPも今年は不安定な内容で退団。抑えは増田で開幕したが不振で2軍落ち。平良が開幕から39試合連続無失点の活躍でシーズン途中にクローザーへ転向。防御率0.90、20セーブ24HPで東京五輪にも選ばれた。
【1軍登録選手(投手14人、野手17人)】
| 投手 | |||||||
| 先発 | 高橋光 | 今 井 | 松本航 | 渡 邉 | 與 座 | ||
| 中継 | ギャレット | 武 隈 | 公 文 | 森 脇 | 田 村 | 十 亀 | 水 上 |
| 増 田 | |||||||
| 抑え | 平 良 | ||||||
| 次点 | ニール | 本 田 | 上 間 | 浜 屋 | 平 井 | 宮 川 | 佐 野 |
| 故障 | 齊藤大 | 退団 | 松 坂 | ニール | 榎 田 | 吉 川 | 小 川 |
| 野手 | |||||||
| 捕手 | 森 | 柘 植 | 岡 田 | ||||
| 内野 | 山 川 | 外 崎 | 中 村 | 源 田 | スパンジー | 山 田 | 山野辺 |
| 外野 | 呉念庭 | 岸 | 愛 斗 | 栗 山 | 金子侑 | 川 越 | 熊 代 |
| 次点 | 齊藤誠 | ブランドン | 渡 部 | 平 沼 | 鈴木将 | 西 川 | 戸 川 |
| 故障 | 若 林 | 退団 | メヒア | スパンジー |












2021シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ5位の北海道日本ハムファイターズ。主力の不振に苦しみ開幕からチームは最下位に低迷。8月には中田翔の暴力事件が起こり無償トレードで放出。10年目の栗山監督は引責辞任となった。新庄"ビッグボス"新監督の話題性はあるが、FA権の西川、大田、秋吉をノンテンダーで自由契約とし、主力を放出したのは痛い。
近藤がチームトップの11本。打率も.298とわずかに3割に届かず。この選手が4番に座っているようでは厳しい。西川は24盗塁で4度目のタイトルを獲得したが、.233と数字を大きく落とした。大田も不振に苦しみ2軍落ちも経験。7年目の浅間が初の規定打席に到達。7年目の高濱、3年目の野村、万波を積極起用して出場経験を積ませた。ルーキー五十幡が27試合でチーム2位の9盗塁、とビッグボスに期待されている。キャッチャーは清水が100試合。40歳の鶴岡はコーチ兼任を断り現役引退を表明した。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ4位の福岡ソフトバンクホークス。開幕は順調な滑り出しを見せたが、守護神の森が左肘の腫れを訴えて5ヶ月の長期離脱。グラシアルも走塁で手を骨折しシーズンを棒に振った。五輪予選でキューバ選手が離脱したのも響いた。CS争いの10月に8連敗を喫し8年ぶりのBクラスが確定。工藤監督は退任を表明した。
柳田が2年連続7度目の打率3割、28本。今年はライトでの出場機会が目立った。栗原は全試合出場を果たし、ブレイクした昨年より数字を伸ばして21本。東京五輪にも選ばれた。長年レギュラーで活躍していた松田、中村晃、今宮が不振に陥り、監督が代わる来年は勝負の年になる。控えで存在感のあった長谷川、川島が去り、世代交代が課題。快足を誇る周東の打撃不振、右肩の負傷もチームの攻撃力に響いた。キャッチャーは甲斐が全試合出場。東京五輪の正捕手を務め大活躍の1年だった。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ3位の東北楽天ゴールデンイーグルス。メジャーで活躍していた田中将大の国内復帰で優勝候補の一角として開幕。開幕ダッシュに成功すると交流戦で単独首位に浮上したが、7月にオリックスに首位の座を奪われると追走できなかった。ロッテにもかわされて3位に転落。石井GM兼監督の1年目は2年ぶりのAクラスを果たした。
島内がキャリアハイの21本96打点で初の打点王を獲得。主砲の浅村は6年連続の全試合出場を果たしたが、後半戦に失速。18本に終わった。岡島が5年ぶりの規定打席に到達して復活。来日の遅れたカスティーヨに代わりライトのポジションを埋めた。外国人選手が振るわずチームは得点力不足に苦しんだ。3年目の辰己が.225ながら初の規定打席に到達。持ち前の守備が評価され初のゴールデングラブ賞を受賞。キャッチャーは太田が最多の107試合出場。7月に炭谷をトレードで補強して後半戦は併用の形になった。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ2位の千葉ロッテマリーンズ。開幕5連敗と出遅れたが、前半戦は勝率5割付近で戦い抜いた。シーズン途中にトレード補強で国吉、加藤を獲得。8月に入ると16勝3敗の快進撃で4位から一気に首位浮上。マジック点灯まで行ったが、141試合目で優勝の可能性が消滅。オリックスに競り負けて2年連続の2位に終わった。
荻野が全試合1番に座り、36歳で初の盗塁王と最多安打の二冠。代走要員の和田も同数で盗塁王のタイトルを獲得。中村奨は4年連続の全試合出場。中軸ではレアードがチームトップの29本。マーティンも27本を放ったが、9月に右足を骨折。チームが低迷したのを見て強行出場したが数字を落とした。今年は井上が不振で2軍落ちとなり、監督期待の安田も終盤はスタメンから外れた。キャッチャーは田村の70試合が最多。コンディション不良もあり、後半戦は加藤がマスクを被りチーム防御率が改善された。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ1位のオリックスバファローズ。開幕当初は勝率5割を切って低迷していたが、交流戦で優勝すると11連勝で単独首位に浮上。宮城、杉本が投打揃ってブレイクし、大幅な戦力アップを果たした。中嶋監督の大胆な采配も注目され、終盤はロッテとのマッチレースを制して昨年最下位から25年ぶりのリーグ優勝を果たした。
吉田正が.339で4年連続の打率3割、2年連続の首位打者のタイトル。終盤は右手の骨折もありながらポストシーズンを戦い抜いた。昨年2本の杉本が32本で初の本塁打王。規定打席にも到達し打率も3割に乗せた"ラオウ"が全国区に。代打に回ったジョーンズも脅威になった。2年目の紅林をショートで使い続けて10本。強肩強打の飛躍に期待。シーズン途中での安達、福田、宗のコンバートも成功。キャッチャーは伏見が最多の86試合。併用の形で後半戦に山本と組んだ若月が最優秀バッテリーを受賞。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ6位の横浜DeNAベイスターズ。開幕前の手続きミスもあり外国人選手が12球団で唯一全員が来日できないアクシデント発生。開幕6連敗、直後に10連敗を喫した三浦新監督。ルーキー牧がサイクル安打も含め1年を通して活躍。Bクラスの3チームが一時混戦となったが、チームは6年ぶりの最下位に終わった。
ルーキー牧が.314、22本の大活躍を見せて1年間戦い抜いた。佐野、宮崎は2年連続の打率3割。桑原が4年ぶりの規定打席に到達し、リードオフマンとして復活。キャリアハイの.310、14本をマーク。規定打席に到達した3割バッターが4人と打撃力の高さを誇った。来日の遅れたオースティンが規定打席にわずかに及ばないものの、.303、28本と今年も破壊力を見せた。2年目の森は44試合と出場機会を伸ばし守備で強肩を見せた。キャッチャーは4年目の山本が最多の59試合。戸柱、伊藤らと併用になった。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ5位の中日ドラゴンズ。チームは開幕から低迷。交流戦は勝ち越したが、シーズンを通して打線に苦しんだ。405得点は12球団ワースト。夏には木下雄が練習中に倒れて急逝。球界に衝撃が走った。投手陣が奮闘したがチームは優勝争いに加われずBクラスに終わり、与田監督が退任。立浪新監督にチーム再建を託された。
ビシエドがチームトップの17本、70打点をマーク。リードオフマンの大島がチーム事情で3番に座ったが、中軸の編成にも苦しんだ。高橋周、阿部の主力が打撃不振に陥り、打線が低迷。平田も体調不良で21試合に終わり、古巣復帰の福留がスタメン起用する試合も見られた。キャッチャーは木下拓が120試合出場。強肩に加えて11本とパンチ力もついてきた。期待の根尾は開幕スタメンの座をつかんだが、シーズン中盤に2軍落ち。.178、1本と打力強化が課題。4年目の高松も積極的に起用されて15盗塁。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ4位の広島東洋カープ。ルーキー栗林がクローザーで開幕から大活躍を見せたが、5月にコロナウイルスの集団感染が発生。14人が離脱したまま突入した交流戦は3勝12敗と大きく負け越し。10月は13勝3敗と追い上げたがAクラスには及ばず、3年連続のBクラス。主砲の鈴木誠也が来季のメジャー挑戦を表明した。
鈴木誠はキャリアハイの38本。首位打者のタイトルを獲り、6年連続の打率3割を達成。東京五輪の4番も務め、後半戦は手が付けられなかった。5年目の坂倉が打棒を活かして複数ポジションで出場。初の規定打席に到達しリーグ2位の.315。キャッチャーとしてもチームトップの62試合に出場。3年目の小園がショートのポジションを獲得。.298とわずかに打率3割に及ばなかったが、一時は3番に座り攻守にわたって活躍した。同じく3年目の林も102試合出場で10本。将来の和製大砲として期待がかかる。
2021シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ3位の読売ジャイアンツ。来日が遅れた外国人野手がシーズン早々に帰国してしまい、自慢の攻撃力が今年は低迷。さらに菅野や丸の主力が不調で苦しんだ。それでも8月29日に首位に浮上したが、勝負所の10月でまさかの10連敗を喫し、借金1の3位でシーズン終了。先発ローテを5人で回したのが響いたか。
主砲の岡本が全試合で4番を務め、39本113打点で2年連続の2冠。4年連続30本以上は快挙。丸は23本と終盤は持ち直したが、移籍後初の2軍落ちを経験。1年を通して5番、6番が固定できなかった。FA加入の梶谷は2度の故障で離脱。その分、5年目の松原が初の規定打席到達で27試合連続安打をマーク。自身の暴力事件で8月に無償トレードで獲得した中田は本来の結果を残せなかった。キャッチャーは大城が111試合出場。炭谷がシーズン途中に移籍し、終盤は小林のリード力が光った。


