プロ野球戦力分析【福岡ソフトバンク編・2020終了】
2020シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ1位の福岡ソフトバンクホークス。コロナウイルスの影響でデスパイネ、グラシアルがキューバから来日できず序盤は出遅れたが、開幕1ヶ月で首位に浮上。10月にはロッテにゲーム差なしまで迫られたが、12連勝を含む月間22勝4敗の新記録で圧倒。日本シリーズも2年連続で巨人に4戦全勝し、4連覇を果たした。
【野手編】
柳田が.342、29本と左脚の故障、右ひじの手術明けから復活。最多安打のタイトルを獲得してリーグMVPにも輝いた。6年目の栗原が開幕前の打撃好調を買われて内外野で活躍。初の規定打席に到達して17本と中軸に座った。8月にグラシアルが合流すると中軸に加わって10本。移籍1年目のバレンティンは打率1割台と低迷した。代走要員の周東が9月から打撃の調子を上げてスタメン起用されると、日本新の13試合連続盗塁を含む50盗塁で初タイトル。キャッチャーは甲斐が104試合出場。4年連続でGG賞を獲得。
【投手編】
千賀が開幕に出遅れながら11勝で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の投手三冠。石川も故障明けながら11勝で最多勝。東浜(9勝)、和田(8勝)と先発陣の層は厚かった。リリーフ陣は、アンダースローの高橋礼が今年はセットアッパーに専念して27HP。8回はモイネロが最速158キロで奪三振率も14.44と上がり手が付けられない。40HPで最優秀中継ぎのタイトル。抑えは森が3年連続30セーブ以上となる32セーブ。7年連続50試合登板と今年もフル回転の活躍を見せた。
【1軍登録選手(投手15人、野手16人)】
| 投手 | |||||||
| 先発 | 千 賀 | 東 浜 | 石 川 | ムーア | 和 田 | 笠 谷 | |
| 中継 | 高橋礼 | 嘉弥真 | 岩 嵜 | 泉 | 杉 山 | 津 森 | 松 本 |
| モイネロ | |||||||
| 抑え | 森 | ||||||
| 次点 | バンデンハク | 二 保 | 武 田 | 大 竹 | 板 東 | 椎 野 | 古 谷 |
| 故障 | 高橋純 | 甲斐野 | 退団 | 松田遼 | 加治屋 | サファテ | |
| 野手 | |||||||
| 捕手 | 甲 斐 | 海 野 | |||||
| 内野 | 中村晃 | 周 東 | 松田宣 | 牧 原 | 川 瀬 | 明 石 | 川 島 |
| 外野 | グラシアル | 柳 田 | 栗 原 | デスパイネ | 真 砂 | 上 林 | |
| 次点 | 九 鬼 | 三 森 | 西 田 | 柳 町 | 釜 元 | 長谷川 | バレンティン |
| 故障 | 高 谷 | 今 宮 | 退団 | 内 川 | 西 田 |












2020シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ2位の千葉ロッテマリーンズ。開幕直後にジャクソンが大麻所持で退団。チームの得点より失点が多い状況ながら勝ち進んだ。10月には首位ソフトバンクにゲーム差なしまで迫ったが、8選手がコロナウイルスに感染。マーティンも故障で離脱してしまい、一気に貯金を吐き出すと2位を死守するのが精一杯だった。
マーティンがチームトップの25本。レアードが腰の違和感で早々に離脱してしまい、井口監督が3年目の安田を4番に抜擢。初の規定打席に到達して.221、6本ながら来季以降に期待がかかる。井上は15本で昨年より数字を落とした。中村は3年連続の全試合出場。FA移籍1年目の福田秀平が相次ぐ故障で.216に終わり、結果を残せず。コロナウイルスの集団感染により、1軍合流した2年目の藤原が活躍。スイングが鋭くなっており、来季は1軍定着。代走のスペシャリスト和田が23盗塁とブレイク。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ3位の埼玉西武ライオンズ。リーグ3連覇を目指して開幕直後は勝率5割付近にいたが、主砲の山川が故障で打撃不振に陥るとチームは一気にBクラスへ低迷。自慢の重量打線がチーム打率5位と低迷する中、苦手のリリーフ陣が接戦を勝ち取ると一時は2位まで浮上したが、CS進出をかけたロッテとの直接対決に敗れた。
山川がリーグ5位の24本ながら右足首を痛めて打率.205と不振に陥った。‟おかわり君”中村も死球を受けた影響で9本どまり。森や外崎も1年を通して状態が上がらず不振に苦しんだ。その中でベテラン栗山が打撃好調で終盤には4番にも座ると、DHでベストナインに選ばれた。通算1926安打まで数字を伸ばしてきた。新外国人のスパンジェンバーグは内外野で出場して15本を放ったが、リーグワーストの150三振。ポスト秋山として期待された金子も首痛にも悩まされて86試合出場。鈴木、川越ら若手外野手の活躍が待たれる。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ4位の東北楽天ゴールデンイーグルス。新戦力の活躍により開幕ダッシュに成功。前半戦は三つ巴の混戦になっていたが、主力投手の則本や森原の故障で次第にチームが低迷。2年ぶりのBクラスに終わり、三木監督が2軍監督へ再配置。来期は石井一久GM兼監督が指揮を執る。渡辺直人、青山、久保が現役引退。
浅村が3年連続の30本以上(32本)で初のホームラン王。5年連続の全試合出場。1試合7打点を2度マーク。FA加入の鈴木大地がリーグ5位の.295、サードでベストナイン&GG賞を獲得。ロメロも24本で中軸の仕事を果たした。ルーキー小深田も打率3割を残していた茂木の故障で出場機会を増やして規定打席に到達。.288で新人王争いを繰り広げた。昨年33本のブラッシュが不振に陥り、まさかの誤算。2軍スタートのウィーラーも巨人へトレードされた。キャッチャーは太田が最多の67試合。左肩の故障で後半戦は下妻に譲った。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ5位の北海道日本ハムファイターズ。開幕直後は野手陣の調子が上がらず最下位に沈んでいた。夏場には3位まで順位を上げたが、自慢のリリーフ陣が崩壊。外国人野手が2人とも奮わず下降線をたどった。エラー数もリーグワースト。オフには有原、西川がポスティング申請しており、投打の主力がチームを去る。
中田が108打点で4年ぶりの打点王。31本で5年ぶりに30本以上を放った。近藤はキャリアハイの.340(リーグ3位)で3年連続の打率3割をマーク。選球眼も良く最高出塁率のタイトルも2年連続で獲得。西川はリーグ4位の.306、42盗塁でリードオフマンとしての仕事を果たし、メジャー挑戦する。外国人のビヤヌエバ(4本)、王柏融(2本)は助っ人の活躍ができず。期待の清宮は3年目の今季も7本(3年連続)に終わった。キャッチャーは宇佐見が最多の80試合出場。清水も守備面で精彩を欠いた。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はパリーグ6位のオリックスバファローズ。コロナウイルス対策で開幕直後に変則日程が組まれ、QVCマリン6連戦で6連敗。さらにエース山岡の故障離脱も重なり、8月20日に借金17で西村監督が解任。中嶋監督代行が大幅に選手・コーチを入れ替えて戦ったが、2年連続の最下位。6年連続のBクラスに終わった。
吉田正がキャリアハイの.350で初の首位打者。選球眼が向上して3年連続で打率3割をマーク。再起をかけたT-岡田がチームトップの16本。新外国人のジョーンズは往年の守備力が影を潜めてスキを突かれる場面が目立った。12本ながら日米2000本安打を達成。育成枠から支配下登録された大下も長打力を活かして今後に期待。代走要員だった6年目の佐野が出場機会を伸ばして20盗塁。キャッチャーは若月が71試合でチーム最多。これまで正捕手を務めていたが、捕手出身の監督に代わり再び競争になる。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ1位の読売ジャイアンツ。開幕前に坂本、大城がコロナウイルスに感染して危ぶまれたが、チームは開幕ダッシュに成功。シーズン中ながら楽天とのトレード補強にも成功し、9月には9連勝もあり首位を独走。2年連続のリーグ優勝を果たしたが、日本シリーズでソフトバンクに2年連続で4戦全敗の屈辱を受けた。
岡本が3年連続の30本以上(31本)でホームラン、打点の二冠。坂本は前半戦の不振に苦しんだが、ホーム最終戦で2000本安打を達成。シーズン後半では4年目の吉川尚・松原が1,2番に座り、機動力を活かした野球を展開。新外国人のパーラは故障が響き、途中加入のウィーラーが内外野で出場して12本。持ち前の明るさでチームを盛り上げた。打撃力のある大城がチーム最多の85試合でマスクを被り、正捕手争いから抜け出した。代走のスペシャリスト増田が23盗塁。甲子園での緊急登板は話題になった。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ2位の阪神タイガース。2勝10敗と開幕ダッシュに失敗したが、1ヶ月も経たずに借金返済に成功。9月下旬に飲食店でコロナウイルスの集団感染により10選手が大量離脱したが、緊急昇格した藤浪がチームを救った。2年連続のAクラスも巨人戦に大きく負け越して独走を許した。伝説のクローザー藤川球児が現役引退。
大山がキャリアハイの28本85打点を放ち、開幕ベンチから4番の座を勝ち取った。近本は2年目のジンクスに陥ったが、次第に打撃を取り戻して.293。2年連続の盗塁王。新外国人のサンズが勝負強い打撃で中軸を担ったが、シーズン終盤は内角攻めに苦しんで不振に陥った。ボーアは規格外の飛距離を放ちながら17本に終わり退団。外国人トリオの先発は6試合だった。今年は糸原が相次ぐ故障とコロナウイルスの離脱で63試合の出場に終わったのが響いた。キャッチャーは梅野が97試合出場にとどまり、わき腹の負傷もあった。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ3位の中日ドラゴンズ。前半戦は最下位に沈んでいたが、エース大野雄大が5連続完投勝利。球団新の45イニング連続無失点記録も達成。リリーフ陣の勝ちパターンが確立されると、10月には15勝3敗の快進撃で一時は2位まで浮上。最後は力尽きたが、8年ぶりのAクラス入りを果たした。吉見一起が現役引退。
大島が2年連続の打率3割&最多安打のタイトルを獲得。高橋は初の打率3割(.305)をマーク。ただし昨年リーグトップの打率を誇ったチームが打撃不振に陥った。アルモンテは後半戦に状態を上げて中軸に座っていたが、足の故障が再発して退団。平田は右ひじや下肢のコンディション不良で55試合に終わったのも響いた。育成から支配下登録されたA.マルティネスが珍しい外国人キャッチャーとして強打強肩ぶりを見せており、来季も注目。キャッチャーは5年目の木下拓が最多の87試合出場。
2020シーズン終了、戦力分析。今回はセリーグ4位の横浜DeNAベイスターズ。巨人に次ぐ優勝候補として注目されたが、開幕から絶対的なクローザー山崎康晃が絶不調に陥った。ポスト筒香として期待された新キャプテン佐野、外国人野手トリオによる攻撃力はリーグトップクラス。2年ぶりのBクラスに終わり、5年間指揮を務めたラミレス監督が退任。
佐野が初の規定打席到達でレギュラー1年目から首位打者(.328)、20本と4番の仕事を十分に果たした。またリードオフマンで梶谷がリーグ2位の.323で1年間センターの座を守り続けたが、オフにFA宣言。新外国人のオースティンは幾度の故障を抱えながら65試合で20本と圧倒的な破壊力を見せた。ソトも不振ながらリーグ5位の25本。ロペスはFA権を取得して来年は日本人扱いとなるが今季限りで退団。キャッチャーは戸柱がチーム最多の95試合出場。正捕手だった伊藤光はリード面で降格させられ出場機会を減らした。


